作曲者のノート・Composer’s Notes

"レクイエムは死者の魂のためのミサです。 ふつうはラテン語のmovementsですが、今回は異文化を取り入れるという私のいつものやり方で、5つの日本の俳句・「辞世の句」を引用しました 。 俳句は通常、自然と関係し、ひとつの思いを持つ、5・7・5の三行に分かれた17音節のpoemです。歌詞からわかるように、日本人は自然の水循環[降水量]を人生と同義であると見なしています。(As one can see from the text, the Japanese view nature’s water cycle [precipitation] as being synonymous with life. )

俳句を入れることにより、西洋と東洋のふたつの言語のmovementsを組み合わせました 。 BenedictusとAgnus Deiをそれぞれ10番めの『Having seen the moon seen』と12番めの『Farewell』という曲に組み込みました。 両者は、女性の歌を歌う日本語の歌詞と対比するために、修道院式に男性の声で唱えています。 
これらの俳句をいれた管弦楽に、古代風の楽器、 尺八を使いました他では、いつものようにいくつかの民族のドラム(アラビアのダラブカ、日本の太鼓、フレームドラムなど)を使用しています。また、ディエイラエのヒップホップのリズムも使用しています。

作品は、音楽家であり創造そのものである私の亡き父に捧げます。

                                ©Karl Jenkins  

       (googl翻訳参考) https://hijirishakuhachi.wordpress.com/2017/03/09/karl-jenkins-requiem/

 

3.The snow of yesterday

   The snow of yesterday that  fell like cherry blossoms is water once again

                       昨日の雪 桜のように落ちた もう一度水です(g翻訳)

 

      花と見し 雪はきのふぞ もとの水  越谷吾山

 

 

(満開の桜の花が散るように見えた昨日降っていた雪は、もう溶けて元の水に戻ってしまった、

           人の人生もこれと同じようなもの)と推測・解釈する。              

(埼玉県立久喜図書館)

 

 

 

 

5.From deep in my heart

   From deep in my heart how beautiful are the snow clouds in the west

                                                                        私の心の深いところから どれくらい美しいですか? (g翻訳)

 

          心から 雪美しや 西の雲     小杉一笑

 

         (極楽浄土の雲の下なら、新雪もまた見事でしょう…とあの世への願望を込めている)

 

 

  

8.Now as a spirit

   Now as a sprit I shall roam the summer fields

                  今や精神として 私はローミングする 夏のフィールド。 (g翻訳)

 

       人魂で行く 気散じや 夏野原    葛飾北斎

               ※ 気散じ 心の憂さを紛らわすこと。気晴らしのこと。

 

            (人魂になって夏野原っぱにでも気晴らしに出かけようか)

    

 

  

10.Having seen the moon

   Having seen the moon even I take of this life with a blessing

                  月を見た 私もこの人生を去ります 祝福で (g翻訳)

 

 

      月も見て 我はこの世を かしく哉   加賀千代女

                ※ 「月」は秋の季語 「かしく(悴く)」やせ衰える、衰え弱るの意味

 

(私は秋の名月を見たことですし、もうこの世を終わりにいたしましょう。)

               病気の私は、もう命が短いが、仲秋の名月の夜、今年も明るく澄み渡っ

               た満月を見ることができた。そして、世の中のあらゆるものを十分に見

               尽くしたので、思い残すことなく、心安らかにこの世の中をさることが

               できる。

 

 

12.Farewell

   Farewell  I pass as do all things like dew on the grass

                  別れ 私はすべてのことがするように渡す 芝生のような露。 (g翻訳)

 

       まめで居よ 身は習わしの 草の露  爪木晩山

                   私は人の世の常に従って逝くだけの事よ。皆達者でな、の意味

                         ※「露」も秋の季語